東京スバル ディーラー・メカニック 座談会  

2000/09/07 雑談会 in 東京スバル赤塚営業所

左 ・ 赤塚営業所・整備課長  右 ・ 赤塚営業所・工場長

今回は工場長をメインにお話をうかがいました。

 

1年365日、朝から晩までスバル車メンテナンスに携わって 
いる人達だ。インプレッサの事で知らない事はない!
 

右 ・ 東京スバル(株) 鈴木 取締役

 

今回の企画を快諾していただきました。

ユーザーフレンドリーな、東京スバルに感謝!!

このような素晴らしい交流は他メーカーではあり得ませんね!


毎日ボクサーエンジンをさわり、毎日スバル車をメンテし続ける彼らゆえに知っている

「現場ならではの生の声」を聞くべく、今回はディーラーメカニックさんに直撃インタビュー!!

色々お話を伺いましたが、抜粋して掲載致しました。

Q1.歴代の各インプレッサについて、特に痛みやすい箇所(パーツ)はありますか? 

 新型は別として、初代インプレッサからG型まで、特に目立った不都合がないと言うのがインプレッサの
 特徴でもありますね。中古車市場にある初期の頃の型でも、後期のものと比べてパワーがない分
 逆に耐久性に優れていると言う事もあります。 そう言う意味でもトータル的に目立ったトラブルが無い訳です。

Q2.年数を経たボクサーエンジンで、メンテナンス上での要チェック箇所を教えて下さい。

 ボクサーエンジンは水平対向と言う構造上、どうしても年数を経たエンジンはオイル漏れ(オイルのにじみ)が
 出てきます。これはシリンダーが横を向いている構造ですから、パッキン部分が常にオイルに浸されているので
 起こる現象ですが、この症状はパッキン交換で簡単に治ります。この事は逆に中古車を買う場合などに目安に
 すると良いと思いますよ。、オイルのにじみ具合をチェックすることで、その車の健康状態を把握できますからね。
 例えば、年数を経たボクサーエンジンでもオイルにじみが無ければ、きちんとした健康管理(メンテナンス)が
 されてきた証拠なのです。

Q3.メンテナンスに地域的な差はありますか?

 あります。これは使用環境が変われば当然メンテナンスの重点も変わってきますし、各パーツの傷み具合なども
 地域格差があります。整備講習などで、全国のスバルディーラーのメカニックさんと話す機会が時々あるのですが
 それぞれの地域の話を聞くと、「うちではこんなことがあった」などの話も、各地域によってそれぞれ違ってくる
 のです。最近ではインプレッサが雑誌で取り上げられていることも多く、色々な情報が飛び交っていますが、
 そう言った雑誌に書かれている「トラブル事例」などが、即、自分のインプレッサにも当てはまるとは言えません。

Q4.オイル交換のポイントや、ボクサーエンジンならではのオイル交換する時期の目安を教えて下さい。

 一般的には4〜5000Kmでの交換をお奨めしていますが、個人的にはインプレッサなら3000Kmぐらいで
 交換するのが良いと思います。オイルは高いオイルを入れるより、純正オイルをこまめに変えた方が
 コスト的にも、エンジンのコンディション維持的にも良いでしょう。高いオイルだともったいなくて、ついつい交換する
 サイクルが長くなってしまいますからね(笑)。それより安くても、いつでも綺麗なオイルを入れ替えておいた方が
 良い訳です。 また、オイルフィルターは、オイル交換2回に1度は交換すると良いですね。フィルターも純正品が
 お奨めです。なぜなら、市販の社外フィルターは純正と比べ「目が荒い」からです。
 それと、オイルの入れすぎには要注意ですね。オイルゲージの中間まで入っていれば充分です。

Q5.改造車(合法内での改造)はどう思いますか? (笑)

 正直言って個人的には大好きです。(笑) ただ、ディーラーに入ってくる整備車両のなかには本格的な改造車は
 あまり来ませんね。(笑) そう言う車両はメンテナンスもチューニングショップで行うからでしょうね。
 しかし、今後はSTi ゲノムパーツなど「純正品」として保証されるようになりましたので、段々とノーマル以外の車に
 触る機会も増えてくると思います。それにS201なども、改造車となんら変わらないですしね(笑)。

Q6.スバル車に精通しているプロの目から見て、「間違った改造例」などありますか?

 吸気系の改造は要注意ですね。燃調が狂って最悪のケースではエンジンブローもありえます。
 例えば、「キノコ型」のエアクリーナーなどは、ノーマルのECUでは無理ですね。ノーマル形状以外の
 エアクリーナーを付けるのであれば、それなりの対策(全体的なチューニング)が必要です。
 また、最近「レゾネーター」を外している方がいるようですが、ただ外しただけでは、かえってパワーダウンする事も
 あります。吸気音が大きくなるのでパワーアップしたと勘違いしやすいのですが、きちんと吸気経路を考えて
 処理しないとダメですね。逆にきちんとやればそれなりの効果が期待出来ます。

Q7.新型インプレッサはどうでしょう?

 新型はWRCarから最新技術がフィードバックがされて、より進化しましたね。例えばコーナーリング性能。
 これはWRCarのセンターデフと同じ配分で動きます。よりナチュラルなラインをトレースできるようになりました。
 それに各部が強化されてますね。 個人的にはSTiバージョンの登場が待ち遠しいです。(笑) やはりスバルの
 フラグシップカーですからね。トレッドは今回出たWRXよりもワイドになるハズです。STiバージョンはタイヤサイズが
 WRXの205に対し、225になりますので当然トレッドも変わります。大変楽しみですね。

Q8.インプレッサの整備性について教えて下さい。また、インプレッサ専用の工具とかありますか? 

 実際、専用工具は1車種につき50点ほどあります。ただし、これらの専用工具を使わなくても特に困る事は
 ありません。その点から考えるとスバル車は全体的に整備性は良いと言えるでしょう。他メーカーでは専用工具が
 無いと、簡単な部品さえ脱着が出来ない車が多く存在していますからね。

Q9.最近、他メーカーの車種からスバルに乗換えるユーザーが多いようですね

 おかげさまで「スバル人気」は高まっていますね。(笑) 確かに他のメーカーにお乗りだった方々が、最近
 スバルへ移行しているケースが多いです。 私たちとしては単に”車両を乗換える”と言うこと以上に、
 スバル車との”付き合い方”も提案していきたいと思っています。 他メーカーでは当たり前のことでも、
 スバル独自のメカニズムには当てはまらないことや、その逆も多くあるからです。

 約6時間にも渡る大座談会となり、もっともっと楽しいお話も沢山ありましたが、私の乏しい頭では、
 これを書き留めるのが精一杯でした。(爆) 

 貴重な時間を割いて有意義な座談会を開いて頂いた東京スバル社には、この場をお借りして
 お礼申し上げます。ありがとうございました。m(._.)m ペコッ